先に決めるのは「月10万円」より、耐えられる損失
スワップ運用を考えると、最初に「毎月いくら受け取れるか」を計算したくなります。しかし、受取額を増やすには一般に保有数量を増やす必要があり、為替が逆方向へ動いたときの含み損も同じように大きくなります。
スワップポイントは日々変化し、減額や支払いへの逆転もあります。為替差損がスワップの累計を上回ることもあるため、給与や預金金利とは分けて考えます。
私たちは、FXに回す元本として300万円前後を一つの目安に考えてきました。ただし、300万円あれば安心という意味ではありません。何通貨を持つかで、同じ元本でも危険度は大きく変わります。
元本300万円で月10万円は、年換算すると大きい
月10万円が12か月続いたと仮定すると、年間のスワップは120万円です。元本300万円に対する単純な割合は40%になります。
120万円 ÷ 300万円 = 単純年率40%
この40%は、将来の利回りを示すものではありません。むしろ、預金のような低リスクの収入ではなく、大きな建玉と為替変動リスクを伴っている可能性を確認する数字です。
元本・必要証拠金・純資産・余力を分ける
口座へ入れた資金。生活費や事業資金とは分ける
建玉を保有するために拘束される最低限の資金
口座残高へ評価損益やスワップを反映した現在地
含み損が増えたときにロスカットまで残る幅
個人の国内店頭FXでは、取引金額に対して4%以上の証拠金が必要で、レバレッジ換算では25倍以下です。ただし、25倍まで使えることと、25倍で運用してよいことは別です。
証拠金維持率は、ロスカットまでの距離を見る数字
証拠金維持率は、一般に純資産を必要証拠金で割って計算します。利用している「みんなのFX」では、次の式で表示され、100%以下になると全ポジションへ自動決済の成行注文が出されます。
ロスカット基準は会社や取引コースで異なります。また、相場急変時には基準どおりの価格で決済される保証はなく、預けた証拠金を上回る損失が出る可能性もあります。
元本300万円・必要証拠金60万円ならどう動く?
ここからは仕組みを理解するための仮定です。実際の私たちの建玉や、特定通貨ペアを再現したものではありません。必要証拠金を60万円で固定した単純例として、含み損が増えたときの維持率を見ます。
純資産÷60万円で計算した例。実際はレート変動により必要証拠金も変わり、スワップ、入出金、複数建玉も影響します。
開始時に500%あっても、含み損が200万円になれば約167%です。100%の直前まで待つのではなく、どの水準で建玉を減らすか、追加資金を入れず撤退するかを先に決める必要があります。
円を含む通貨ペアは「1円逆行したらいくら」を出す
円を含む通貨ペアでは、概算として保有数量に値動きを掛けると評価損益をイメージできます。例えば10万通貨の買い建玉が1円下がれば、約10万円の含み損です。
高金利通貨は、短期間に数円以上動くこともあります。受取スワップだけで数量を決めず、過去の値動きと複数の下落幅で含み損を試算します。
今のスワップ額が1年続くとは限らない
スワップポイントは、各国の金利、為替市場、FX会社の提示条件などで変わります。「みんなのFX」の公式シミュレーションにも、金利情勢などにより受取額が変動し、受け払いの方向が逆転する可能性があると明記されています。
- 1日分ではなく、直近1か月以上の推移を見る
- 買いスワップだけでなく、売りスワップも確認する
- 為替差損を含めた口座全体の増減を見る
- 休日分のまとめ付与を毎日の利益と誤解しない
- スワップが半分になった場合でも保有を続けるか考える
取引前に決めておく6つのルール
- 1
生活費と分ける失って生活や農業経営へ影響する資金は使わない。
- 2
最大数量から入らない必要証拠金ぎりぎりまで建玉を持たない。
- 3
複数の下落幅を試算する1円、3円、5円の逆行時に純資産と維持率を確認する。
- 4
撤退水準を先に決めるロスカットされる前に減らす条件を数字で残す。
- 5
追加資金を前提にしない含み損が増えるたびの入金で生活資金を侵食しない。
- 6
月末に口座全体を記録するスワップ、評価損益、純資産、維持率を同じ日に残す。
月10万円より、まず「何円の逆行に耐えられるか」
元本300万円で月10万円が続けば、単純年率は40%です。この大きさを見れば、作業時間の少ない安定収入ではなく、相応の為替変動リスクを引き受ける運用だと分かります。
目標を立てるときは、月のスワップ額だけでなく、保有数量、1円逆行時の含み損、必要証拠金、証拠金維持率、撤退水準を一つの表で確認します。私たちの運用記録でも、今後この数字を継続して追います。
運営者の経験と公開情報をもとに、資金管理の考え方を整理したものです。取引条件とロスカット基準は利用するFX会社の最新書面を確認し、ご自身の判断で取引してください。

