初めての人には「終わりが見える仕事」が頼みやすい
農家側は普段から行っている仕事でも、初めて畑へ来た人には、道具の場所、歩いてよい場所、残す草、触ってよい枝など、分からないことがたくさんあります。
短い勤務時間を活かすには、説明を聞いたあと一人でも進めやすく、完了した状態が分かる仕事を切り出すのが向いていました。
作業範囲が見える/判断する回数が少ない/危険な道具を使わない/途中で担当者が離れても進められる。この4つがそろうほど、初回の人へ頼みやすくなります。
ぶどう園で実際にお願いした3種類の仕事
草刈り・草集め
初回でも頼みやすい作業範囲と終わりが見えやすい。暑さ、斜面、道具の安全確認は先に必要。
細かな農作業
作業を選ぶ単純な片づけは頼みやすい一方、判断の多い作業は説明に時間がかかる。
直売所の販売補助
毎年の定番繁忙時間の補充、箱詰め、受け渡しを支援。経験者が戻ってくれると特に助かる。
同じ「農作業」でも、必要な説明、体力、判断の多さが違います。ひとまとめにせず、求人ごとに具体的に書きます。
草刈りなどの体力仕事は、範囲を区切りやすい
ぶどう園では、草刈りをはじめとする体力仕事をお願いしました。「この列からこの列まで」「刈った草をこの場所へ集める」のように、担当範囲と完了状態を見せやすい仕事です。
一方で、屋外の農作業には暑さ、足元、斜面、虫、道具による危険があります。草刈機などの動力機械を使う仕事と、草を集める・運ぶ仕事は同じ求人の中でも明確に分け、経験確認、安全教育、保護具、周囲との距離を準備する必要があります。
長袖・長ズボン、帽子、滑りにくい靴、手袋
水分・塩分、日陰の休憩場所、作業を止める基準
危険な斜面、車両、農機、立入禁止場所
体調不良やけがをすぐ伝える相手と方法
農林水産省も、農作業中の熱中症対策として、高温時間帯を避け、こまめな休憩と水分・塩分補給を行い、無理をしないことを案内しています。
細かな畑仕事は、説明時間まで含めて選ぶ
畑には、少し手伝ってもらえるだけで助かる細かな仕事がたくさんあります。ただ、農家には当たり前でも、初めての人には判断が難しい作業があります。
説明に時間がかかる作業を頼む場合は、最初から複数種類を詰め込まず、一つの作業へ絞ります。初回で得意なことや丁寧さが分かれば、次回は少し判断が必要な仕事をお願いできます。
直売所の販売スタッフは、毎年お願いする定番になった
ぶどうの販売時期は、畑だけでなく直売所も人手不足になります。接客中は農作業へ戻れず、箱詰め、商品補充、お渡し、周辺の片づけが重なるため、サポートに入ってもらえるだけでも助かります。
直売所は同じ時期に同じ流れが繰り返されるため、一度経験した人が翌年も来てくれると説明時間が減り、混雑時にも動いてもらいやすくなります。
価格判断、返品対応、レジ操作などは、農園ごとのルール説明が必要です。最初は補助業務から始め、分からないときにすぐ聞ける担当者を決めておきます。
募集文は「農作業のお手伝い」で終わらせない
「農作業全般」だけでは、応募する人が体力、服装、必要な経験を判断できません。タイミーの事業者向け案内でも、仕事内容、勤務地、就業時間、賃金などの労働条件を明確に示す必要があると説明されています。
- 仕事内容
- 刈った草を集めて指定場所へ運ぶ、資材の片づけ
- 作業環境
- 屋外。土や草で服が汚れます。斜面の有無も記載
- 持ち物
- 長袖、長ズボン、帽子、飲み物、汚れてよい靴
- こちらで用意
- 手袋、使用する道具、休憩場所、飲料など実情に合わせて記載
- 集合場所
- 住所に加え、入口、目印、駐車場所を写真と文章で案内
「体力に自信のある人」だけでなく、持ち上げる物のおよその重さ、屋外で歩く時間、休憩の取り方まで書くと、応募前に判断しやすくなります。
前日募集でも、受け入れ準備は省かない
このぶどう園では、繁忙期に前日募集でも来てもらえたことがあります。急な人手不足にはありがたい一方、募集が間に合ったからといって、当日の説明や安全確認を短くしてよいわけではありません。
- 集合場所と駐車場所を、初めての人にも分かるように送る
- その日に必ず終えたい仕事を一つ決める
- 見本を一度やって見せ、分からない点を聞いてもらう
- 使う道具と保護具を人数分そろえる
- トイレ、休憩場所、飲み物、貴重品の置き場所を案内する
- 途中で仕事が終わった場合の次の作業を一つ用意する
- 天候悪化や体調不良時に中止する判断者を決める
近くの人が繰り返し来てくれる価値は大きい
農園の近くに住み、都合が合う日に気軽に来てくれる人とは、毎回ゼロから説明する必要がありません。畑の場所、道具、仕事の流れが分かる人が増えるほど、短い時間でも任せられる範囲が広がります。
タイミーには、特定のワーカーへ求人URLを送りやすくする限定公開などの仕組みがあります。長期雇用への声かけも可能で、タイミー公式の導入事例でも、実際に働いた人を継続採用した例が紹介されています。
タイミー経由の勤務自体も、求人事業者とワーカーの直接雇用です。その後に通常のアルバイトなどへ切り替える場合は、労働条件を改めて明示し、賃金支払い、労働時間、保険、税務などを事業者側で確認します。タイミーに掲載した勤務の賃金をサービス外で支払うこととは別です。
参考:タイミー事業者向け「特定のワーカーさんとマッチングしたい」/タイミー公式の長期雇用事例/業務中のけがと労災について
農家側の仕事は「切り出し方」で変わる
ぶどう園でタイミーを利用して今年で3年目。草刈りなどの体力仕事、細かな畑仕事、直売所の販売サポートをお願いしてきました。その中で、初めての人には終わりが見える単純な補助作業、経験者には判断が必要な仕事、毎年の販売時期には直売所という分け方が見えてきました。
農作業に詳しい人を待つだけでなく、初めての人でも安全に進められる単位へ仕事を分ける。それが、農家にもワーカーにも無理の少ない使い方だと感じています。

